特集

電産がつくる
次世代のVMEボード

信頼性と堅牢性に優れたVMEは、30年以上にわたり防衛・政府・研究・産業など広く採用されてきました。古い技術ですが今でも重要性が高く、新たな技術に移行することが難しい場合もあり、電産でもお客様から多くの相談をいただいています。そこで現在のVMEの状況と新しい規格をご紹介します。

VMEボードとは

VMEボードとは、VMEバス規格を採用したシングルボードコンピュータです。
VMEバスは、モトローラがCPUである68000シリーズのために開発し、VERSAバスから発展し拡張した規格で、VERSAmodule Eurocard bus(またはVersa Module Europa)からきた名称です。多くのデバイスで使用され、IEC 60821、ANSI/IEEE 1014-1987として標準化されました。現在は、16bit CPUや32bit CPUに加え、64bit CPUに使用する標準的なバスとして使用されています。
 フォームファクタは、一般的にはシングルハイト(3U、高さ100mm)とダブルハイト(6U、高さ233.35mm)があり、奥行きは160mmあります。

現在のVMEボードを取り巻く状況

VMEは1980年代に導入されて以降、防衛・政府・研究・産業など広く受け入れられ、採用されてきました。古くからある技術ですが、それでも多くの産業用コンピュータやアプリケーションで幅広く使用され、今日の社会を支え続けています。

VMEは古い技術であるが今でも重要性を持つ理由

VMEボードは、複数のVMEボードを接続する土台側であるマザーボード上にVMEコネクタが用意されています。このマザーボードはVMEバックプレーンボード(またはVMEバックプレーンシャーシ)と呼ばれており、複数のVMEボードを電気的かつ構造的に接続する役割を果たしており、このボードを介してデータの送受信を行っています。
このような作りから、VMEは信頼性と堅牢性に優れており、産業用途やミッションクリティカルな環境での使用に適しています。この信頼性と堅牢性が求められるアプリケーションでは、新たな技術に移行することが難しい場合があります。
そのため、VMEは古い技術ではありますが、今もなお多くの産業やアプリケーションで重要な役割を果たしています。

電産が扱うVMEボード

  • 電産が扱うVMEボード
  • Rosewood II [DVE-i6000U-50]
  • Apollon [DVE-i6000H-51]
  • Dogwood [DVE-T2080-50]
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電産の次世代VMEボード「VPXボード」

VMEは30年以上使用されてきたバス規格ですが、このVMEを刷新した新しい規格「VPX」が登場しました。
VPX(ベクトル・ペンディング・エクスプレス)は、VMEの後継として開発されたバス規格で、高性能な組み込みコンピューティングシステムにおける次世代のソリューションの一つです。VMEに高速のシリアルスイッチファブリックをサポートし、堅牢な耐環境を実現しています。高い信頼性、堅牢性、拡張性を提供し、要求の厳しい産業・防衛・航空宇宙などのアプリケーションに適しています。
VITAにより規格化されており、 フォームファクタはVMEを継承した6Uと3Uのユーロカードタイプで、PMC/XMCメザニンカードを搭載することができます。

製品名:DVP-i11KU-60(仮)/開発中

このように、VMEボードも時代の流れとともに新しい規格が生まれています。電産でも次世代のVMEボードとしてVPXボードを開発中です。また、今まで使用されてきたVMEボードについても、長年培ってきた技術と実績から幅広いご相談をお受けできます。新規移行やメンテナンスなどお気軽にお問い合わせください。

用語補足
IEC(International Electrotechnical Commission) : 国際電気標準会議
ANSI(American National Standards Institute) : 米国国家規格協会
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) : 米国電気電子学会
VITA(VMEbus International Trade Association) : ANSI認定の規格開発組織

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