電産初のリブランディング
石川社長インタビュー
電産は50周年を節目に企業ブランドの見直しを行いました。会社の核となるビジョン・ミッション・バリューの再策定から、ロゴマーク、Webサイト、その他各ツールのリニューアルを実施しています。
今回のリブランディングをサポートしたブランディングファームのブランコ株式会社が、電産初となるリブランディングについて石川社長にその思いをお聞きしました。
- 部下からリブランディングの提案「電産を変えたい」という思い
- トップダウンではなく共感を 社長自ら紡ぐ本音の言葉で電産を変えていく
- リブランディングの浸透はこれから 電産の強みをどのように伝えるか
- 新しいバリューからの土台づくり そこから生まれる新しい電産
部下からリブランディングの提案
「電産を変えたい」という思い
2023年7月に創立50周年を迎え、石川社長が社長に就任してから5年目となる節目の年となった電産。部下からの「電産を変えたい」という提案と、自身も同じ思いでいた石川社長はリブランディングを実施する決断をしました。
リブランディングは節目の年の実施となりましたが、石川社長の始動だったのでしょうか。
実は、長い付き合いの部下からの提案でした。
私は今のままやっていて会社の先行きがどうなるのか考え、「電産を変えたい」と思っていたので、良いタイミングでもあるし、リブランディングの実施を決めました。
トップダウンではなく共感を
社長自ら紡ぐ本音の言葉で電産を変えていく
今回のリブランディングでは、ビジョン・ミッション・バリューの再策定から、ロゴマーク、Webサイト、その他各ツールのリニューアルを行いました。
各企画は石川社長からではなく、部下から上がってきたことを石川社長が承認し応援しており、今までトップダウンの傾向が強かった電産を変えるという強い意志が感じられます。
リブランディングの初動では、石川社長自ら文章を作成いただきましたが、実際いかがでしたか。
そうですね。大変でした。ただ、やらなきゃいけないとは自分でも思っていましたし、それが私の仕事だと思いながら取り組みました。
自分の思いを伝えることのできる貴重な機会という点と、リブランディングを始めておいて、そこに自分の思いがないと周りもついてきてくれないだろうと考えていました。
言葉はしっかりと考えましたが、リブランディングの企画に対しては、意見は言いますが基本的には止めることはないし、これからもどんどんやっていこうかなと思っています。
ロゴマークは複数ご提案しましたが、どのように選ばれましたか。
ロゴマークのデザインは、提案いただいた中で一目見て決めました。
旧ロゴマークはアルファベットの大文字と青のカラーでしたが、新ロゴマークは小文字と赤のカラーで、親しみやすさのなかにも未来へ進んでいく挑戦する姿勢が感じられます。
リブランディングの浸透はこれから
電産の強みをどのように伝えるか
リブランディングの浸透はまだまだこれからと語る石川社長。電産の強みである「堅牢・堅実」は提供する製品・サービスとそれを生み出し支える社員そのもの。「当たり前のことを当たり前にやる」。これらをどのように伝えていくかが課題です。
リブランディングをしてみて社内のムードは変わりましたか。
まだまだ浸透のスタートラインでしょうか。ロゴマークや様々なものが変わりましたが、そこにまだ戸惑っているのは感じます。
社員には変わろうとしていることは伝わっていると思います。
会社は変えようとしているけど、今まで自分が真面目にしてきていることを変える必要があるのかという思いもあるのではないでしょうか。
業務内容は堅牢なものを作り続けることに変わりはありません。今まで通りの仕事を今まで通りやるというのが一番重要ではあるのですが、今回のリブランディングを機に、社員の中に会社と一緒に変化していこうという思いが浸透していけばいいと思います。
今回は「当たり前のことを当たり前にやる」ことにフォーカスを当てきれず、今後の課題と考えています。
やって当たり前なので、フォーカスを当てても普通に感じますよね。
ただ、現在採用していただいているお客様は、そこを評価してくださっています。当社も当然失敗はありますが、失敗しても失敗の後のフォローがしっかりできているから、今まで採用していただいていると思います。
新しいバリューからの土台づくり
そこから生まれる新しい電産
新しく策定したバリューは、「人の意見に耳を傾け共に成長しよう」「常に疑問を持ち、考えつづけよう」「失敗を恐れず挑戦しよう」という、今までの電産にはなかった行動指針を掲げています。
今までにない「挑戦」が全面的に盛り込まれていますが、どのような思いで策定されましたか。
そうですね。皆さん失敗したくないと思いますし、お客様からも「失敗しないように確実にやって」と念を押されるので難しいのが現状です。
だからこそ、考えていただかないと次がないと思うんです。考えることで正解や別の考え方などいろいろなことが出てくる。そこで人の意見にも耳を傾けて「じゃあみんなでやろう」というような風土を作っていきたいと思っています。
石川社長は電産の強みである「堅牢・堅実」に、「傾聴」「試行錯誤」「挑戦」という新要素を加えて、柔軟な発想で未来をつくる新しい電産を目指しています。その先駈けとなるリブランディングプロジェクトは電産初の試みです。プロジェクトのスタート時から社内にブランディングチームを立ち上げ、リブランディングの遂行とブランドイメージのコントロールを行っています。今は土台づくりの真っ最中で、電産の未来に向けて様々な取り組みを始めています。